2019/10/16

蜜蜂と遠雷

ルノワール展と並んで、
教室入口のボードに
貼ってあるのは、
映画「蜜蜂と遠雷」のポスター。
 
 
 
 
小学生の
大きい生徒さんたちには、
「良かったら観てね!」
って声をかけていますが。
 
私もさっそく、
長男を連れて
観に行って来ました。
 
 
原作は、
史上初の直木賞&本屋大賞を
ダブル受賞した、
恩田陸の『蜜蜂と遠雷』。
 
 
 
 
私は、
ハードカバーが出版された頃に
すぐに買って、
読み始めたらおもしろくて、
一気に最後まで
読んでしまいました。
 
 
特技は速読!なので。笑
 
自分で言うのもなんですが、
本を読むのは、
めちゃめちゃ早いです。
 
夫がいつも、
「もう読んだの!?」
ってびっくりするくらい。
 
 
その後に出版された
文庫本上下2冊は、
長男が読むかなあと思って
買ったものですが。。。
 
まあ、
あの子は右脳の人、
感性の人なので、
文字はダメね。笑
 
 
そんな、
長男みたいな子のために?
つい先日出版されたのが、
漫画版です。
 
 
 
 
漫画はさすがに、
すぐに読み終えたみたい。
 
早くも2巻の発売を
楽しみにしている様子。
 
 
教室でも、
貸し出しの本に加えたら、
途端に小3女子が借りていきました。
 
彼女は、
映画も観に行くんだって
言っていたので、
また感想を聞くのが楽しみです。
 
 
 
 
 
さて、
映画はというと、、、
 
 
ものすごく
濃密な2時間でした。
 
こんなに映画で
集中力を使ったのは、
いつぶりだろう。
 
 
あっという間に、
気づいたら
終わっていたみたいな
2時間ではなくて。
 
一人ひとりの演奏、
もっと言うならば、
奏でる一音一音に
こちらも全身で耳を傾け、
コンサートを聴いたような気分かな。
 
監督は、
2時間のコンチェルトだと思って
作り上げたそうだけれど、
まさにそんな感じで。
 
 
しかも、
激しくエネルギッシュな演奏と
俳優さんたちの静かな表情とが
対比して、
その言葉のない演技にまた
心を揺さぶられる。
 
 
演奏は派手なのに、
不思議なくらい
ものすごく静かな映画。
 
 
沈黙が重いから、
ずっしりくるというか、
時間の進みが
ゆっくりに感じられて、
心に染み渡るのです。
 
 
機会があれば、
もう一回じっくり観たいし、
原作も今一度
読み返したくなりました。
 
 
栄伝亜夜役の
松岡茉優さんの表情が
素晴らしく良かったし。
(実は、子どもたちの幼稚園の
大先輩らしい)
 
風間塵は、
原作そのままに、
心底楽しそうにピアノを弾く姿が
とても印象に残りました。
 
 
次男はまだ6歳で小さいから、
連れて行かなかったけれど。
 
もう少し、、、
あと数年したら、
ぜひとも観せてあげたい。
 
風間塵のように無邪気に、
いつまでもピアノが好きで、
ホールで弾くことを
楽しんでほしいなと思いました。
 
 
一方、 
12歳の長男は、
どんな感想を持つのかな
と思ったら。
 
彼は、
はっきり言って、
いや、予想通りか、
ストーリーにはほとんど
関心がなかった。笑
 
 
バッハのプレリュードや
ドビュッシーの夢など、
彼の好きな音楽が
いっぱい出てきたものだから
終始隣でノリノリ。
 
ストーリーよりも、
劇中の音楽や、
演奏シーンに夢中で。
 
 
特に、
風間塵の弾くバルトークが
一番好きで、
マサルのプロコフィエフ2番も
すごく良かったと。
 
 
「春と修羅」のカデンツァは、
完全即興とされる
栄伝亜夜バージョンが
気に入ったらしく。
 
自分ももっと、
激しい曲を作りたいし、
完全即興のカデンツァ付きの
曲を作ってみたいと
言っていました。
 
 
そして、
エンディング。
 
エンディングと言っても、
本当に最後の最後。
エンドロールが終わる瞬間。
 
その終わり方が、
最高に良かったそう。
 
 
 
 
 
帰り道、
タワーレコードに寄ったら、
ありました!
蜜蜂と遠雷の特設コーナー。
 
案の定、
ブースの前を陣取り、
あれこれ聴きまくって、
全然帰ろうとしません!笑
 
 
何か買わされそうだなと
思ったら。。。
 
 
 
 
はい、
見事に全種類、
我が家に揃いました。笑
 
 
劇中の演奏の吹き替えを
担当された4人の
ピアニストさんのCDと、
「春と修羅」の楽譜。
 
 毎晩、
取っ替え引っ替え、
CDを聴いては私に、
「ここがすごくない?
ここ良くない?」
って熱く語り出します。笑
 
 
本当に、
長男は音楽が好きね。
 
というか、
音楽にしか興味はないし、
たぶん音楽しか好きじゃない。
 
 
 
 
さらに、
映画のために作曲された
「春と修羅」。
 
時が経つに連れて、
長男はますますじんわりと
この曲が好きになってきた
ようで。
 
 
ここのところ、
楽譜をピアノの上に
置きっ放しにして。
 
とはいえ、
相変わらずの耳コピですが、
冒頭のテーマの部分を
毎日ぽろぽろとピアノで
弾いています。
 
 
変奏曲みたいに
なっているので、
どんどん難しくなっていく
のだけれど。
 
最初のテーマだけなら
何とか頑張れば弾けるかな。
 
 
 
 
楽譜の前書きにある 
作曲者の藤倉大さんの言葉。
 
「作曲家は、
自分が好きじゃない音楽は
書いてはいけない」
 
この一言に長男は、
いたく感銘を受けたらしく、
目がキラキラと輝いていました。
 
 
ネットで、
藤倉大さんのインタビューを
読んだのですが。
 
 
子どもの頃は、
ベートーヴェンや
モーツァルトでも、
勝手に曲を変えて弾いていて、
先生に怒られたという
エピソードが紹介されていて。
 
まさに、
今の長男と同じ
じゃないかー!と。笑
 
 
私は、
楽譜通り弾くことに
どうしてもこだわってしまう
ところがあるのですが。
 
これからはますます、
彼は私とは人種が違うんだ
と思うことにしようかと。笑
 
作曲をする人は、
やっぱりちょっと、
そもそもの頭の中が違うんだ
と思うわ。
 
 
長男からも、
映画「蜜蜂と遠雷」を
もう一回観たい、
何度でも観たいという
リクエストが来ているので。
 
また近々、
観に行くことになろうかと
思います。
 
 
どちらかというと、
今度は私一人で
観に行きたかったんだけどなあ。
 
抜け駆け
できなくなってしまった。笑
 
 
映画「蜜蜂と遠雷」